感想/COMITIA123/懐中天幕(つむぎゆう)/きみと 檸檬の坂道を
短編が3作品。
ざっくりと全体的な感想
どういう執着を持てば、こんなに眼鏡の女子中学生*1のバリエーションを豊富に書けるんだろうか(超ストレートな感想)
全体を通して、可愛く描かれているキャラふたり(とその常に対比される性格)と、ある意味幻想めいて描かれる自然の光景がとても印象的でした。言い換えると舞台とキャラのプロフィールとカップリングの属性で縛りプレイをしているにもかかわらず、3つもお話が出てくるのすごい。
以下、お話ごとに。
きさらぎ きらきら
ちょうど本日読んでいたので、時期的にわりととタイムリーでした*2。短いストーリーの中で、(もしかすると1年も前から)計算されたバス停での会遇が、綺麗な夕日の中にある湖畔と一緒に、可愛らしく美しく描かれていると思いました。あざやか。
夏の終わりと はじまりと
しれっと書き手の趣味(フェチ)を差し込んできやがった……!
導入からしていきなり刺激的な光景から始まるのですが つまり スク水で田舎を歩いている女子中学生 とか 自分の水着を相手に着てもらうシチュエーション とか、そういうことなんですよね*3!! という、分かりやすい属性というかシチュエーションに、色々と読みながら持って行かれました*4。
その、作中のふたり*5が相手を想って、そして自分も幸せになるために、色々とこっそりあれこれ可愛い企みをしていました、という微笑ましい構図も魅力的ではあるのですが、挿絵*6にも煽られて脳内に色々をビジュアライズされたその光景に全部持って行かれた感じでした。
きみと 檸檬の坂道を
さみしい雰囲気の導入に始まって、嬉しいびっくりと悲しいびっくりを経た後に、最後はつまり高校生になったら同棲して結婚しようねって話なのですが*7、主人公*8の口調を含めたキャラ・性格が一番可愛く感じて心に刺さりました。冷静な世界から見ると、完全にフィクションのキャラのしゃべり口調なのですが、それが良い方向に突き抜けていて、とても良かったです。
そしてそれとは別に ここでも忘れた頃にスク水をぶっこんできやがった……! と、エピソードの中に綺麗に入り込んでくるスク水の着こなしシチュに、ある種の執念を感じました*9。
連続して読んでいるからなのか、 百合
という属性について、なんか当たり前のものとして受け止めてしまっているので、そこについて言及できていないのは、なんか読み方として乱暴だったかも知れません。